2014/09/29

100点を取ることが目的では無い事は多い、という話



いま、僕の下には大学生インターンがいて色々手伝ってもらってます。


9月末まで2人のインターンが居て、募集にあたっては結構シビアな条件を設定した上で採用したので、この2人はそれぞれキャラクターや得意分野は違うけど、純粋に「優秀だなあ」「地頭(じあたま)がいいなー」と感心・感謝する事が本当に多かったです。


この2人のうち、9月末でインターンを卒業し元々予定していた海外留学に旅立ったA君がこのブログエントリーの主人公です。


1ヶ月程前、とある業務について3人で話をしていた時
「ああ、こういう考えの学生の子って多いのかな。しかも優秀なタイプに」
と感じると共に
「こういう考え方が、優秀な学生さんが社会に出てから色々苦しむ原因の一つなのかもなー」と思ったので以下記述します。


それがタイトルに書いた「100点を取ることは目的じゃない事もある」という話です。
※以下、社外秘な話が書けない都合上、抽象的な表現になります。読み辛くてすみません。

・インターンA君(この話の主人公)が、1週間ぶりに出社。
 ↓
・A君が出社してない間に、もうひとりのインターンであるBさんに僕がとある業務を依頼。
 ↓
・この業務というのは単純に手を動かせば終わる「作業」タイプのものではなく、着手し数をこなしながらノウハウを溜めていかないと最終的な成果物の精度に関わるようなもの。
 ↓
・BさんはA君よりも一週間早く取り組み始めたので、その間
 少しやってみる→僕がレビューする「ここはもっとこうしたほうがいいかもね」
 Bさんも「やってみてわかったんですけど、こういうケースの時は、、、」と自分なりの意見を報告する事で徐々に僕とBさんの間でちょっとしたノウハウが溜まり始めた状態 
 ↓
・A君が1週間ぶりに出社。2人がかりで業務を進めてもらう為に、僕からBさんに
 「A君に、あの業務の手順やコツを教えてあげて」
 「はい、わかりました」
 ↓
僕「でさ、A君は少し進めたら俺じゃなくてBさんにレビューしてもらって。Bさんもさ、人の作ったやつをチェックする側に回ることで色々と気づきを得られると思うし、それを自分の担当分に活かしてね」


ここまでの状況は
・僕自身も一番最善で効率的な手法を知っているわけではない(知ってるなら教えりゃ済む)
・A君とBさん、2人で意見を交換し合う事で1人で取り組むよりもいい形で業務をまとめて欲しいなという僕の期待がある。
・Bさんは、Aさんの業務をチェックする役目だが、正解を知ってる訳ではないので「採点する立場ではない」


という感じで、ここでA君が口にしたセリフが
「よーし!絶対完璧な答えを出して、チェックされても大丈夫なモノを出すぞー」
というもの。


まずA君の名誉のために書きますが、
彼は本当に優秀で、頭の良さだけではなく業務に取り組む際の粘り強さや、興味が湧いたものに向かう知的好奇心の強さ、等々良い所は挙げればキリがありません。


ただ、1週間ぶりの出社でBさんに”遅れをとっている””自分は習う立場・評価される側だ”という気持ちが強かったのか、↑上記の言葉が出たんです。


しかし、元々書いてたようにこの業務においては僕もBさんも、まだ”これが最善の手法だ”にはたどり着いてないし、そもそもそんなものがあるのかすらわからないトライ&エラーの状態。


逆に1週間ぶりに出社したA君のほうがたまたま思いついて「え、じゃあこれって○○を××って風にやってけばいいんじゃないですか?」と「一番最後に合流したA君がその時点で最も良いやり方」を提示するケースすらあり得る。


A君のいう「完璧な答え」は無いし、万が一それを出されても正確に採点する人はいない。
チェックされて大丈夫「じゃない」ものも無い。
むしろ、色々とチェックして指摘したり一緒に考える事で、この日以降の業務スピードとクオリティを上げたいと思っている。


世の中の”仕事”と呼ばれるものって、こういう事多いよなーと個人的に思った訳です。


誰かが100点満点で採点をするわけじゃないし、
逆に誰かが評価したとして、それが100%正しいとも言えないし間違ってるともいえない。

数値化して大きい方が勝ちでもない
(PVが多ければいいウェブサイトでもなければ、一番売れてる商品が世界最高のものでもない)


ただ、学生さんで優秀なタイプって何かしらの「最終的に数値化するルール」の中で今まで競う経験が多過ぎて(テストの点数)

ついつい、定量的な評価で且つ”高得点”を欲してしまう癖みたいなものがあるんだろうな、と。


そういや、世の中には
 一意的な評価を下される事に対して執拗に拘る人や、
 それに囚われ過ぎてしまう人、
 数値化した評価軸が無い時に不満を感じる人、
って結構多いなと感じました。


この話は「学生さんってこの辺がまだまだだよね」なんていう話ではなく
伝える側(今回のケースで言うと、僕)がちゃんとそのフェーズに応じた
「やってほしいこと」「考えて欲しい事」とかを正確に伝えるための努力を怠っちゃいかんよなー、と思った次第です。

指示を出す側、依頼をする側が「100点が欲しいけど100点は無い事」に気がつかず試行錯誤してる事って多い気がするなー



というお話。

大したオチは無いんですが、インターンはいまも募集中なので興味のある人がいたら、ぜひ気軽に声をかけてください。