2011/04/19

スタートアップと、年齢と、うちの親父の話


今日のエントリーを書くきっかけになったのはこの記事を読んだからです

無敵のスタートアップチームの構成とは?

ですが、冒頭からすいませんがいきなり話が飛びます。
うちの親父の話です。

うちの親父は今年72歳になるので、とっくに定年リタイヤしてるのですが
若い頃は『広告代理店営業マン一筋40年』の、
生粋の営業畑でして

いわゆる高度経済成長期の広告代理店ですから
テレビ、新聞、雑誌、ラジオ、交通広告が主戦場。

よく小さい頃は協賛してるテレビ番組の収録を見学させてもらったり
都内を車で走っていると、『あのでかい看板広告はこの間俺がやった仕事なんだ』
なんて、自慢げに説明されたりしたものです。

で、そんな親父がですね
65歳になって定年退職、仕事一筋でゴルフ以外にまともな趣味も無く
はてさてどうすんのかなーと思ってたらですね

なんと、気の合う仲間と起業しやがったんですよww
65歳にして初めての起業、そして少人数体制のベンチャーw

何のビジネスかっつうと、それまで広告業界で培った人脈と営業力を武器にしてですね
小さな広告代理店を立ち上げたのですw

で、少人数だとすんごい小回り効くじゃないですか
あらゆるパイプから、広告枠を仕入れては、
がんがん新規クライアント開拓して、安く叩いて売るというw
(※業界用語で『叩く』とはディスカウントの事です)

『今回のコンペ相手は、○○(超大手代理店w)だから、あいつらに負けないスピードで価格交渉して、呑気に社内稟議回している間に、クライアントひっくり返してやるんだ!』
とか息巻いてるわけです。

しかもある日、俺にパソコンの使い方を教えろというわけです。
機械音痴で、無理だろーなーと思ってたんですが
メールだけとりあえず覚えさせたら

目の前で、持ってる限りの名刺の相手に向けて
どんどんアポ取りと広告枠提案のメール送り始めやがった

もうね、脱帽ですよ。
今はもう年とったんで、ゆっくり隠居してますけどね。

はい、そしていきなり本題突入ですが
これの話。

この記事の中では、
コーディング/プロダクト開発できる人
→ハッカー

ビジネスセンスがあり顧客/提携パートナーを引っ張って来れる人
→ハスラー

UI含め、人々に支持されるデザインが出来る人
→デザイナー

と定義し、スタートアップに必要なのは最小で最低限だけど
この3人さえいればOKだとしている。

逆に言えば、10人いようが50人いようが
この3人のどれかが欠けていれば成功の可能性は低いだろう、と暗に指摘している感じですかね。

で、僕はまずこの記事で書かれている事には
深く首を縦に振るくらい同意です。

ITベンチャーの端くれで10年近くメシ食っている身としては
この『最強のトライアングル』が結果を出して来た例をいくつも目の当たりにしてきたし

逆に、うまくいくかなー?と思っていたら3つのうちどれかが足りず、
もしくは途中で仲違い等で抜けてしまい
その後もの凄い勢いで失速した例も、見てきました。

根底に、自分たちが突き進むサービスや製品に対しての
統一したビジョンっていうか、『これがクールなんだ!』っていう確信とか
苦しい状況でも『やったる!』みたいな想いが無いと

優秀な3人が集まっても上手く行かない例もありますから。

この辺り、僕は音楽経験があるので
ものすごーく、バンド活動に近いんじゃないかなと、いつも思います。

優秀なソングライター、いい歌詞が書ける人、
自分の役割を弁えて徹する事のできる演奏者(ボーカル含む)
インディーズの場合、ここにレーベルや業界とうまくパイプが創れる人も必要だし

一見、バンドではなくユニットやソロで活動してるアーティストでも
実は、メンバーとしてクレジットされない領域に
必要不可欠な人物がいるパターンもあるし。

で、僕の周りでまだメジャーになっていなくて、
『かなりこれは、理想的なチームでやれてるのかな?』と感じるのが


先日、Teclosion2011で最優秀賞に輝き
まさに日本のスタートアップ2011年最大のホープである(笑・でも本当ですよ)

Wondershakeというサービスを創っている、鈴木くん。(Doubles9124)


僕が働く頓智ドットで、3月までインターンしてくれていた
まだ20代前半の男です。

あと、Grow!というクリエイター支援のソーシャルパトロンプラットフォームを先日ローンチした

彼は本人が『CCO』(チーフ・コネクティブ・オフィサー)って名乗るだけあって
前述の記事でいうところの、典型的『ハスラー』タイプ。

正直言うと、僕は『wondershake』も『Glow!』も
上記の2人以外のスタッフとは、面識が無いのですが

話す中で伝わってくるものは確実にあって、彼らが理想に近いチームで
ガツガツやれてるんだろうな、ってのは容易に想像つきます。

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さてここからちょっと話題が『年齢の話』に移行していきますよ
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前述の2人、そしていまや『世界で最も有名な』少人数スタートアップから
成功を収めた『facebook』のマーク・ザッカーバーグに共通するのが

年齢が若い。ってこと

IT業界は、歴史が浅いので他の業界に比べて若いのは当たり前ですが
facebookのザッカーバーグ含め、立ち上げ時全員20代前半なわけです。

僕が、フリーターとして極貧生活しながら社会の底辺を蠢いていた時代ですね
(どうでもいい)

で先日、フェイスブック 若き天才の野望を読み終わったのですが


僕が読後感として持ったのは、まず読んでいる間全身が震えてるわけです。
手に汗握ってるし、なんで震えていたかはよくわからないです。
西野カナは『会いたくて震えている』と自己分析出来ているわけで、
尊敬に値しますよね(適当)

で、自分の感想を一言にまとめようと思ってひねり出したのが
『悔しい』
だったわけです。

何が悔しかったのかなー?と5分程自己分析してみたんですが
まず『スピード感と妥協しない』感じが、負けてるなと。
あと、やはり人との出会いに恵まれていて、単純にラッキーではなく
彼らのパッションが運命を引き寄せた感がある。

で、同時にほっとした感情も湧いてきまして。
・読み終わった後に『悔しい』と思える自分でよかったな、と
・あと、悔しさの対象が『若さが羨ましい』でなくて良かったなと。

これ読み終わって悔しさの一片も湧いてこないとか、
その対象が『若いっていいな』という、時間軸なんてどうしようもないじゃん的
自分を楽に納得させるような所に着地させてたら、
俺けっこうやばいんじゃないかと。

僕は、コードが書けませんし、デザインについても
昔少しサイトのディレクターやった時に画像加工した事があるくらいで

前述3つのパターンにはめると、僕はハッカーにもデザイナーにもなれないので
もしスタートアップをやるとしたら、ハスラーしかないわけです。

っていうか、コード書けない&デザインできないの人は必然的に
ハスラーとしてどれだけ優秀なのか?が問われるわけで。

ここで、冒頭のうちの親父の話。
ま、うちの親父は別にIT企業にいたわけじゃないですし
代理店マンですから、プロダクトとかサービス創造側ではないのですが

もし、65を超えてもあの圧倒的バイタリティを持ったうちの親父が

この2011年に、俺と同い年で、IT業界に身を置いてたら
なんてことを妄想すると

たぶん、もんのすごい熱量をもった『ハスラー』タイプなんじゃねえかなーと
勝手に思ったわけで

僕自身の中に流れる『年齢って、別に関係ないよね?』という
恐らくうちの親父譲りのマインドも含め

頑張っていかなあかんなーと、
決意を新たにした感じです、はい。